Karma

そう言って体を起こそうとすると、バランスが崩れ、ベッドから落ちる。


あれ? 体にうまく力が入らない。


「無理しちゃダメだよ。芽依は半年以上も寝てたんだから」

「えっ、 うそ?」

「ほら、病院の外に桜が見えるでしょ? もう四月なんだよ」


窓から桜の花びらが舞い込み、手の甲に落ちる。


「どうりで、うまく立てないわけだ」


祐希は「リハビリすれば、すぐに立てるよ」と言って笑った。


「祐希、芽依が起きたって本当か!?」

「響介っ!?」
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