Karma
再会

「なんで? 誰も何も言わないの?」


大都会の駅のターミナルで、それはまるで当たり前のもののように人々に受け入れられていた。


床に倒れる一人の男。それに覆い被さる女と、彼らを見下ろし、笑いをこらえるもう一人の女。


三人とも凪瀬高校の制服を着ている。


最初は男が体調を崩したのかと思ったが、すぐにそれは違うと分かった。


覆い被さった女が、男の首を食べているのだ。


さらに通りすぎるたくさんの人々……学校や会社を目指す人々には、それがまるでカラーコーンであるかのように、平然と避けて歩いていく。


「ざまぁみろ。浮気なんてするから、私があんたの死を喰喰様に願ったんだ…」


見下ろしていた女が呟く。
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