Karma
「殺された? 五年前に行方不明になって以来、まだ見つかってないはずだけど?」
「えっ?」
行方不明?
その夜、私は家の鍵を壊し、中へ入った。
「嘘でしょ」
中はキレイなままだった。
リビングにも、血のあとはない。
もしかして、家族が死んだ記憶は、何かの間違いだった?
いや、でも現に、私の家族はどこにもいない。
それに喰喰も実在していた。
考えをめぐらせる私の耳に、ある声が届く。
「助けて。お姉ちゃん」