Karma

懐かしい声。大好きだった、弟の……


「和哉…?」


あたりを見渡してみるが、人の影はない。


しかし、私の心に、わずかな希望が芽生えた。


……まだ私の家族は、どこかで生きているかもしれない。


私の記憶では、家族は全員殺されてしまった。


しかし現実には、その記憶を裏付けるものはない。


正直にいえば……もう何が真実か分からなくなってきた。


けれど私は、奇跡を信じたい。


「喰喰を追いかければ、きっと真実が分かるはず。そして必ず、復讐してやる…」
< 29 / 250 >

この作品をシェア

pagetop