Karma

一示さんは「なんだよ。手作りなんだぜこのケーキ。それを迷惑だなんて…」と不満を言いながら、肌に突き刺さったガラスを引き抜く。


「いや、迷惑なのはケーキじゃなくて」


あなたの無自覚にぶっ飛んだ性格です。


二人でケーキを食べたあと(めちゃくちゃおいしかった)、


「メイは、本気で凪瀬に入学する気なんだな」


一示さんがいつになく真剣な顔で言った。


私はうなずく。


「四組に入学できれば、多分、喰喰と同じクラスになれます。基本的にクラス分けはランダムだけど、スポーツや芸術の特待生と成績最優秀者は伝統的に四組になれる。私はそれを狙います…」


手元には凪瀬高校の入学案内。


一示さんはそれを見て、眉をひそめた。


「喰喰とやりあうわけでなく、ただ青春をエンジョイするだけなら俺は賛成だぜ。だが喰喰は…」


一示さんは私が凪瀬の入学を決めてから、ずっと機嫌が悪い。
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