Karma

「なんであんなことを言ったのか、自分でも分からない。俺は萌華のことが好きで、凛夏のことなんてなんでもないはずなんだ。なのに、凛夏を前にすると、どうしても逆らえなくなる。クソッ、わけわかんねぇ…」


空君が起きると、私と美花は空君に話をきいた。


「空君、凛夏は何か言ってなかった? その……喰喰のこととか?」


「喰喰? さぁ? 知らねぇけど…」


憔悴しきった様子の空君。


「じゃあ、体のどこかに、印はなかったか? タトゥーみたいな?」


「タトゥー? そういえば、腕にあったような…」


その言葉で、私と美花は確信する。


「つまり…」


「ああ、凛夏は喰喰と血の契約を結んでる。空は喰喰の力によって操作されてたんだ」
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