Karma
この日、思い出の肉じゃがが私と響介の距離を縮めてくれたと思う。
ベッドに入るまでに、私と響介は二つ約束した。
ひとつは、喰喰の復讐のためとは言え、もっと自分の体を大切にすること。
特に今日みたいに無謀なことは絶対にダメ。
もうひとつは、私から提案したことだけど、これからは家事とか、料理とか、響介と協力しようってこと。
「私、料理下手だけど、一人でできるように頑張るから」
そんな私の言葉に、響介は「料理なら一緒に作った方が楽しいよ」と言って笑ってくれた。
その笑顔がかわいくて、ちょっとだけ胸が高鳴ったのは、自分だけの秘密。
その日、響介は私が部屋のベッドで寝落ちするまで、ずっとベッドに腰掛け、話をきいてくれた。