Karma
「お前が喰喰のこと調べまわってんのは知ってたぜ。だから利用してやったんだ。滅多に人の来ない場所で、二人きりになるのにな」
辰馬は肉食動物のように、鋭い眼光でニヤリと笑う。
「喰喰のことは、何も知らなかったんだね。時間の無駄」
私が帰ろうとすると、辰馬は私を背後から抱き締めた。
「おい、連れねぇな。俺みたいなクラス一のイケメンが相手してやろうって言ってんだぜ?」
辰馬の指先が、気色悪く私の唇に触れる。
「消えろ。三秒以内に。でないと刺す」
私が言う。
「あ? やってみろよ?」
辰馬は背後から、私にキスを迫った。