Karma
トモダチ
放課後、私は屋上で、祐希に美花の過去を教えてもらった。
「美花が小学生のとき、美花のお母さんは病気で亡くなったの。
美花は三歳年下の妹……風花(ふうか)ちゃんとお父さんの三人で暮らすことになった。
お母さんに似て体が弱い風花ちゃんをお父さんと支えながら生きていく……そう誓って。
だけど、裏切ったのは、お父さんだった。
仕事で失敗すると、お父さんは美花に暴力を振るうようになったの。
本気になれば、美花ならお父さんにも負けなかったと思う。
でも、美花は絶対に反撃しなかった。
自分がストレスのはけ口になる限り、風花ちゃんは守られると思ったんだと思う。
この頃かな? 美花が不知火に入ったのは。
憂さ晴らしにバイクを盗んだのがきっかけとか言ってたけど、美花は天才的にバイクに乗るのがうまかったし、喧嘩も強かった。
……いじめられていた私を救ってくれたのも、この頃。それから私も不知火に入ったの」