アテナ・イェーガー〜安堵、のちにキス〜
ロネは慌ててアテナを止めようとする。しかし、アテナはロネも簡単に投げ飛ばした。地面に叩きつけられ、ロネは痛みに顔を歪める。

ロネを投げ飛ばした後、アテナはまたネイサンを攻撃し始めた。ネイサンは意識が朦朧としているのか、一言も発さない。

「殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ!!」

呪われているかのようにアテナは叫びながらネイサンを攻撃する。その様子に、ロネはアテナと出会ったばかりのことを思い出した。

「またあの時みたいになってる?」

それならばアテナを止められる方法はたった一つしかない。ロネは「アテナ!!」と叫んで彼女を抱き締めた。

「放せ!!放せ!!」

アテナは暴れ、ロネの腕に噛み付いたり爪を立てたりする。とても痛いが、ロネは力いっぱい彼女を抱き締めた。そして、アテナが少し落ち着いたところで彼女の頰にキスをする。

ロネの唇が触れると、アテナの体がピタリと動くのをやめた。その隙にロネはアテナの唇に自分の唇を重ねる。優しいリップ音が響いた。
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