アテナ・イェーガー〜安堵、のちにキス〜
「ロネ、メルガの娘ということはどんな存在かわかっているだろ。強い魔力を秘めている。兵器と何ら変わりない。危険だ」

ネイサンもそう言い、ロネにゆっくりと近づいてきた。力づくでもロネを止めるつもりなのだ。ロネは森の中へ素早く逃げ込む。

「待て、ロネ!!」

ネイサンがあとを追ってくる。ロネは「俺を追いかけてきちゃダメだ!!ネイサンはすぐに森から出て!!」と叫ぶ。しかし、ネイサンが足を止めることはない。

いつも不思議な空気の森が、今日は普段と違うとロネは森に一歩入った瞬間から感じていた。木々が大きく揺れ、まるで森全体がロネ以外の侵入者を警戒しているような気がする。

ロネはとにかくネイサンを撒こうと必死で走った。アテナがいる場所とは反対方向に向かう。アテナとネイサンを会わせるとまずいと判断したからだ。

「ロネ、本当にもう止まれ!!俺はお前が心配なだけだ!!とりあえず森から出よう!!」

走って息が乱れ、ロネは声を上げることができない。しかし、ネイサンはロネに大声で話しかけ続ける。
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