諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「もういいだろ。有家、行くぞ」
そう発した理人さんは、颯爽とリビングから玄関へと向かった。
「では、お先に失礼いたします。古城様もお気をつけていってらっしゃいませ」
私にまで丁寧に一礼した有家さんも、早足でそのあとを追いかける。私は急ぐ背中に「ありがとうございます」と返したけれど、届いていたかはわからなかった。
取り残された私は、名刺を手にぽつんとその場に突っ立つ。
理人さん、今日も帰りが何時になるとか教えてくれなかったな。もしかしたら泊まりの可能性もあるのかも。マンションのカードキーは貰ったから出入りするのには困らないけれど、もしそれほど遅くならないなら夕食でも用意したかったのに。
そう発した理人さんは、颯爽とリビングから玄関へと向かった。
「では、お先に失礼いたします。古城様もお気をつけていってらっしゃいませ」
私にまで丁寧に一礼した有家さんも、早足でそのあとを追いかける。私は急ぐ背中に「ありがとうございます」と返したけれど、届いていたかはわからなかった。
取り残された私は、名刺を手にぽつんとその場に突っ立つ。
理人さん、今日も帰りが何時になるとか教えてくれなかったな。もしかしたら泊まりの可能性もあるのかも。マンションのカードキーは貰ったから出入りするのには困らないけれど、もしそれほど遅くならないなら夕食でも用意したかったのに。