諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 私がマンションに来た次の日、仕事が終わってから必要なものの買い物に連れて行ってくれた理人さんは、私が使う布団や小さめのテーブル、ラグにひとり掛けのソファーまで、結局その他にも買おうとしていたすべてをプレゼントしてくれた。

 自分で購入するつもりだった私がレジで、『これは私が買うので大丈夫です』と告げても、『俺に恥をかかせる気か? いいから黙ってろ』と一蹴(いっしゅう)されてしまった。

 しかし、調理器具のコーナーだけは立ち寄るのを許してくれなかったので、家に帰ってからネットショッピングで必要なものをひと通り頼んだのだけれど……。

 それに勘づかれているのか、朝毎日理人さんの帰りを聞いてもまともな返答は返ってこなかった。

 食材を無駄にするわけにはいかないし、しばらくは理人さんのだいたいの帰る時間を精査しようと様子を見ていたが、そろそろいいと思う。
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