諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
 ハウスクリーニングが掃除、衣類もマンションが連携しているクリーニング業者が回収に来てくれて、料理も二十四時間マンション内にあるレストランからデリバリーできてしまう。

 有難すぎる充実したサービスが、私に仕事を与えてくれないのだった。

「他の家事はともかく、料理には本当に自信があるのにな」

 私は人知れず呟いた。

 すると、再びリビングの扉が開く音がして、私は跳ねるように顔を上げる。

「静菜」

 理人さん?

 戻って来たのは、今しがた出掛けたばかりの理人さんだった。
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