諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「離れるなんて許さない。静菜、お前はずっと俺のそばにいろ」

 柔らかく降ってきた言葉に、私は彼の腕の中で何度もうなずく。

「絶対に離れません。一生、理人さんのそばにいます」

 そう答えた私は、泣きすぎて自分でも驚くほどひどい声だった。

 しかし、尽きない幸福感が身体中に染み込む。

 夢じゃないよね。

 好きな人と想いが通じ合った瞬間は、私が生きてきたどの時間よりも幸せだった。
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