諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「いいえ。でも、理人さんがまた無理をしないか心配で」

「なら、お前がそばでしっかりと見張っておけ。俺の妻になるんだろう」

 当然のように告げる理人さんに、私は一気に頬に熱が上るのを感じる。

 この前まではあんなに冷たかったのに。これがあの理人さんなのかな。

 そんな疑問が頭を過ぎるが、私はじっとしていられない愛おしさに彼の腕に絡みついた。

「理人さんって本当は私のことが大好きだったんですね」

「なんの話しだ」

「この期に及んでまだ惚けるんですか!? さっきお父様にも言ってくれたじゃないですか。私が必要。結婚したいって」

 私がムキになって言うが、理人さんは素知らぬ面持ちでこちらを見下ろす。
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