諦めて結婚いたしましょう~一途な御曹司の抑えられない独占欲~
「ダメですか?」

 嘆声を漏らす理人さんに、私は恐る恐る問いかけた。

「どうして遊園地なんだ」

「ただの憧れなんですけど、遊園地デートって定番じゃないですか。昔、漫画や映画でも見たことがあって。いつか理人さんともこんなふうにデートしてみたいなって思っていたんです」

「ったく、なんでもストレートに影響されやがって」

 不満げに告げる理人さんに、やっぱり難しいか、と私が違う行き先を提案しようとしたそのときだった。

「……一回きりだ。二度は行かないからな」

 眉間に深いシワを刻んだ理人さんが、投げ捨てるように言う。思いもよらなかった返答に、私は唖然とした。
< 49 / 199 >

この作品をシェア

pagetop