上司を甘やかす方法


うちの部は4つのチームからなって居て
わたしのチームは朱莉ちゃんの他に、

棚田 和尚(たなだ かずなお)28歳
わたしの一つ下。
朱莉ちゃん同様、入社からずっと同じ部署。
この部署の中ではかなり気心の知れた相手。

斎藤 将稀(さいとう まさき)25歳
こちらは転職組。
半年前に入ったばっかりで、まだよく掴めない。
何事にもさらっとしていて、ふわっとしていて、
本当、今時の男の子で、正直掴めない。

倉持 瑠奈(くらもち るな)22歳
新卒採用で、4月入社。
まだまだ学生気分が抜けないのか
良くも悪くも色んなことに対してルーズな印象。

一応倉持さんの指導を
棚田くんにお願いしている。

朱莉ちゃんでもよかったんだけど、
この子はきっと男の子の方が頑張れると思った。


「大河内さん?」

「あ、棚田くん。ごめん、どうしたの?」

「これ、どうします?」

そこには前に出た2パターンの企画。
どっちにするか、となったところで
昨日は持ち越しになった。


「そうだった。みんな集合できる?」

はい、と返事の後、
ミーティングルームを借りて相談した。

「みんなどっちがいい?」

出来るだけ、みんなの声が聞きたくて、
自分ですぐに答えを出してしまわないように
している。

「んー、この導入部分はBパターンが
わたしは分かりやすくて好きですかね!」

「でも発展性はAじゃない?」

棚田くん。

「うーん、確かに。」

「倉持さんはどう感じた?
どっちの方が入ってくる?」

「うーん、どっちも微妙に分かりにくいです。」

部屋の中が微妙な空気になった。
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