上司を甘やかす方法



「おー、疲れてんな。」

後ろからうちの部署の佐々木部長。
主要会議に行くのだ。
部長が居るのにわたしも、て感じだけど、
部長は忙しくて居ないことも多く、
その時はわたしが責任者になることも
少なくないからだ。

「全然大丈夫なんですけど。」

「老けてんぞ。」

「失礼ですね。もう。
仕方ないです。次30歳ですもん。」

「あほか、俺なんてもうすぐ35だぞ。」

とか言いながらも、
ガッチリした体型は学生時代の時から
今も変わらずしっかりと鍛えていることも
見た目にも気を使っているくせに、
と部長に白けた目を向けた。

「何だ、その目は。」

「35のおじさんに老けてるって言われた。」

「お前、この先でそれ言ったら
主任おろされるぞ。」

「分かってますー!
部長にしか言いませんよ!!」

今から主要会議なので、年齢層も高めだ。
年齢的にはわたしが一番若い。

だから、と言う意味だ。
もちろんお互い、冗談で言っているけど。


「今週日曜、実家帰んの?」

「んー、そのつもりだったけど、
ゆっくり寝たいからなー。迷い中。」

「きっと待ってるぞー。
俺車で行くし乗せてやろうか?」

「要らないですよ。
どうせめちゃくちゃ朝早いんでしょ?」

「まあ、8時半くらいにお前んちかな。」

「はっや!!おじいちゃんじゃん!
要らない要らない!!勝手に行ってよ!」


ギャーギャーとやりとりをしてる間に
大会議室に着いた。


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