LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
 しばらく後、手を離して見渡すと、地面は黒く染まっていた。


「このように、この館の全ての部屋には全自動で弾を発射する機関銃が何百台も設置されております。


 そして今回はあえて外しましたが、これからはいつでもみなさまの頭部を狙っておりますので」


 ゆめゆめご注意くださいフフフフフ、と笑う声は不気味この上ない。


「9日間の共同生活は全て、我が国の高額納税者のみなさまが見ておられます。


 一般にはまだあまり知られていませんが、これは少子化対策も兼ねた政策ということで国も容認しております。


 つまり、この館の中で法は通じないということです。ご理解いただけますね?


 私どもも、決してみなさまを殺したいわけではありません。どうか素敵なLOVEを育んでくださいませ」


――プツッ。


 そこで声は途切れた。


「おい、どういうことだよ!」


 ブリーチを重ねた毛先が傷んだ男が吠えるけど、さっきまであんなに流長に話していた声は、もうウンともスンとも言わない。
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