LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
「とりあえず自己紹介でもしない? 逃げ道を探してみてもいいけど、どうせ無駄だろうし」


 ショートカットの背の高い綺麗な女性が呼びかける。


 たしかに、部屋から見えるドアも窓も人間の力くらいではビクともしないであろう強固な作りで、先ほどの声の様子からもゲームへの参加を拒否する方法はないように思える。


 それなら、おそらく不当にここに連れてこられたもの同士、身分を明かして協力しあった方がいい。


「そうだな。じゃあ俺からいかせてもらう」


 先ほど声を挑発して機関銃がぶっ放されるきっかけを作った眼鏡の男――第一印象はあんまり良くないかも――が女性の呼びかけに応えた。


 2人の間に漂う空気感から考えると、知り合い同士ではないだろうか。


 私が8人のうち何人かを知っているように、知り合い同士で参加させられているケースが多そうだ。


 はたして、それは正解だった。
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