LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
 コンコン。


 一念発起した私が立ったのは、「荻野」と書かれたネームプレートの前。


「荻野さん、配信見てるんですよ。いるんでしょ? 開けてください」


 私のスマホ画面には、泡風呂で際どい姿を披露する荻野さんが映っていた。


 言わずもがな、私たちの各部屋に設置されているスケスケのバスルームからの配信だ。


「何? 私、忙しいんだけど」


 扉の向こうの荻野さんは、不快感を隠そうともしていなかった。


 ただ、


「開けてください。話があるんです」


 私に立ち去るつもりがないことを察すると、嫌々ながらも扉を開けてくれる。
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