LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム

　「それにね……」と荻野さんは薄く微笑む。


「あんたが最近お熱な九条楓、あれ、私のこと好きだから。


　私に命じられてあんたに近づいたのよ。あんたに優しくしたのもあんたに好きだって言ったのもぜ〜んぶ嘘！


　楓が本当に好きなのは、わ・た・し！」


　……あぁ、やっぱりね。


　九条くんの目が荻野さんを追ったときから、想像はついていた。だけど信じたくなかった。


　それが荻野さんの口から、今まざまざと突きつけられて、私は息もできないほど苦しくなる。


「楓のキスうまかったでしょう？　あれ、私が仕込んだのよ。


　本当は昨日、私と楓は両想いになって館を出るはずだったの。


　ま、あんたが不幸になるのを見届けてからじゃないと出ていけないから、楓にはちょっと嘘をつかせてもらったけどねぇ」