LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
 勝ち誇ったように笑う荻野さん。


 九条くんからの5000票はまるまる荻野さんの元に入るだろう。


 それに加えて視聴者からの票があれば、荻野さんが1位になるのはもはや確実。


 今回のイベントで私を殺しきり、明日行われるであろう『LOVE or DEATH』最終投票で九条くんと両想いになり館を出る。


 そんな荻野さんのシナリオは、完璧なものに見えた。


 だけど私は、負けない。負けるわけにはいかない。


「視聴者のみなさん!」


 私は声を張り上げる。


「放送を見ているみなさん、今の言葉聞こえましたか?


 荻野さんは皆藤さんを一途に想う目黒くんを利用しただけではなく、九条くんまで誑かしていたのです!


 たしかに二階堂さんを失った傷は、彼女にとって大きかったのかもしれません。


 しかし、自分が傷ついているからと言って、人を傷つけていいわけがありません!


 目黒くんのファンのみなさん、九条くんのファンのみなさん、この悪女をこのまま放置していても良いのですか!


 これは、みなさんの良心が問われている場面ではないのですか!!」
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