LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
「さんせ……「だめだ」


 だが、同意を表す私の声はかき消されてしまった。相川さんによって。


「俺たちの多くは初対面だよね。言っちゃ何だけど、命をかけた状況でそこまで信用できる?」


 さすがの二階堂さんもとっさに反論できないようで、口をつぐんで相川さんの意見を聞いている。


「申し訳ないけど、俺はできない。


 どうやってここに連れてこられたかもわからない状態で、SFの読みすぎだって笑われるかもしれないけど、自分の記憶さえ信用できるかわからないと思ってる。


 もしかしたら運営側の人間が、この8人の中に紛れ込んでるかもしれない。


 俺はそんな状況で、命綱とも言える『好きな人の情報』を安易に公開することはできない」


「だが……っ!」


「そうだね二階堂くん、君の言うことはとってもとっても理想的だ。だから公開告白したい人がいればすればいいと思うよ。俺は協力しないけど」


 そこまで言われては、二階堂さんのあとに続いて好きな人を明らかにする人は出てこなかった。


 そしてそのまま、全員での話し合いは解散となってしまった。
< 25 / 189 >

この作品をシェア

pagetop