LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
「道……花……?」


 果心がこちらを振り向く。ああ、そんな目で見ないで。


 私は何も言わなかった。だけどそれは、声の言うことを認めているのと同じだった。


 最後に二階堂さんと話してから、まだ1時間も経っていない。


 彼と話し終えた私は、自分の部屋に戻ってきて投票アプリを開いた。そして「嫌いな人」の欄にたしかに「二階堂智成」と打ち込んだのだ。


「でも信じて……私は本当に、二階堂さんの好きな人が私だなんて知らなかったし、投票も、誰も殺さないためにしたの……!」


 相川さん、九条くん、目黒くん。3人に好意を持たれている自信があったわけじゃないけど、もし彼らが私のことを好きだったら……そう思うと、とても「嫌いな人」になんて選べなかった。


 その点二階堂さんは、荻野さんという明確な好きな人がいる。だから彼を選んだのに。
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