LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
「まさか……私のことが好きだったなんて……」


 思いもしなかった。その言葉は虚に消えた。


 突然ほおに強い衝撃を感じたかと思うと、横になぎ倒された。


 真っ赤な目をした荻野さんが、私を鬼のような形相で睨んでいる。


「このクソ女! ビッチ!!」


 すぐに相川さんと目黒くんが2人がかりで押さえてくれる。だけど男性2人がかりでもはね返されてしまいそうな、荻野さんの気迫。


「一旦落ち着こう、荻野さん。悪いけど俺らはこのまま部屋に戻らせてもらうよ」


 相川さんが荻野さんの腕を支えながら部屋に送り届けてくれる間にも、私を罵る声が強固な館の壁を通り抜けて聞こえてくる。
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