LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
「い゛った……」


 そんな色気も何もない声で呻きながら、先に起き上がったのは私だった。


 そして自分の下敷きになっている存在に気づき、大急ぎで声を掛ける。


「九条くん……! ごめん、大丈夫……!?」


 私が台から足を滑らせたとき、九条くんは支えようとしてくれた。そこまでは覚えている。


 だけど恐怖から私が目を閉じたあと……どうなったのか私にはわからない。まさか自分を犠牲にして、私が怪我をしないようにかばってくれたの?


「大丈夫だから、よけろ……っ」


 目を閉じたままで九条くんが唸った。


「っ、ごめん!」


 慌てるあまり、私は九条くんをあろうことかお尻の下敷きにしていたのだ。


「本当にごめんなさい!」
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