LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
 館へ帰ると、ずっと心配してくれていたのだろう果心が青ざめた顔で飛びついてきた。


「2人がドキドキ!? なんとかのイベントに選ばれたって聞いて……道花、大丈夫だった!?」


「うん。心配かけてごめんね」


 運営に用意された偽物の街なのに、騙されて決死の逃避行を繰り広げたことは、あえて言う必要はないだろう。


「汗かいたからシャワー浴びるね」


 そう告げて私は部屋に戻った。


 イベントが終わり、無事手錠も外された。さっきまでほとんど行けていなかったトイレもようやく行けるし、なによりお風呂に入れる。


 走って汗をかいたあとのお風呂はすごく気持ちよかった。


 そして、お風呂から上がったとき、コンコンと扉がノックされる音がした。
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