LOVE or DEATH 愛し愛されデスゲーム
「……えっと、目黒くん、どうしたの」


 つまってしまったのも無理はない。だって私と目黒くんは今まで、ほとんど絡みがなかったから。


 私は果心や相川さんと一緒にいる時間がほとんどだったし、目黒くんは元から知り合いの皆藤さんとよく一緒にいた。


 相川さんとも知り合いらしいから話をしているのを見かけることはよくあったけど、そこに私が加わったことはない。


「突然すみません、上野先輩。ちょっと話があって……入ってもいいですか」


「う、うん。どうぞ?」


 体を傾けて目黒くんを迎え入れる。


 そのとき、扉に備えつけられた鍵を彼が回したのを、私は見逃さなかった。
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