今夜、夢の中で。
【7月27日】ソジン side.
「きゃあああああああ!!!LEG end~!!!」
「ソジーン!こっち向いてー!!!」
4年前は思いもしなかった。
こんな俺にも黄色い声援が向けられるなんて。
でも同時に知った。
人気になるってことはその分俺の知らない所で毎日監視されてること。
どこかで必ず俺を批判する人がいるということ…。
7年前、13歳の時
当時韓国で大人気だったアイドルグループ「STONE」に憧れて、
俺はアイドルになると誓った。
幼い頃からダンスを習っていたおかげで
ダンスには自信があったが、
歌はそこそこだった。
でも必死に歌とダンスのレベルを上げて、16歳の時ようやく
「LEG end」(レジェンド)としてデビューを果たした。
メンバーは4人。
歌唱力がずば抜けて高い ジョン。
プロのダンサーが認めるほどのダンスの才能を持っている ヒョヌ。
LEG endのリーダーで、
チームをまとめる才能や、
プロとしての自覚を常に持っており、
周囲から熱い信頼を得ている ヨン。
そして、容姿端麗な ソジン。
自分で言うのも何だが、LEG endの中で俺は、「容姿」担当なのだ。
デビュー当初から顔のことだけ褒められた。
もちろんそれはそれで嬉しい。
でも…俺は、
デビュー前寝る間も惜しんでダンスや歌を練習してここまで来た…
と思っていた。
だけどダンスや歌はほとんど評価されない。
もしかしたら、この顔さえあれば誰でも良かったんじゃないか…と思った。
デビューして3年後、世界的なヒットソングを生み出し、
LEG endの知名度は世界中に広がった。
嬉しかった。
これで両親に恩返しができる。
これで…俺を評価してくれる人が増えるかもしれない…!!
でも現実はそう甘くはなかった。
確かに、ファンの数は短期間で爆発的に増えた。
LIVEのツアーだって、テレビ出演だってデビュー当時と比べ物にならないくらい増えて、
毎日仕事に明け暮れていた。
デビュー前の俺からしたら、夢みたいな事だ。きっと羨ましがるに違いない。
でも俺は今この生活に、希望を持っていない。
忙しいからじゃない。
知名度が上がったことによって、俺に対する「容姿端麗」というイメージは更に強くなった。
ネットにも
「ソジンは顔だけ」
「確かにかっこいいけど、あの顔だったら誰でもいいって感じ?」
「他のデビュー目指して頑張ってるこの方が全然いいんだけど」
たくさんの批判が書き込まれた。
メンバーも俺を気遣ってくれている。
だけど、
辛いのは俺だけじゃない。
メンバーの誹謗中傷も確かに沢山ある。
俺だけがメソメソしてたらいけないんだ。
「大丈夫か?ソジン。」
俺はいつも
「大丈夫、気にするな。」
と答えていた。
正直ストレスがMAXを超えていたが、
今日のLIVEをダメにする訳には行かない。
俺は5人で円陣を組んで、
過去の俺が憧れた華のステージに向かって歩き出した。
・
・
・
「ヒョヌーー!!!」
「ヨンーー!!!!」
「ジョンーー!!!!」
「ソジンーー!!!」
たくさんの歓声を受けながら、LIVEも後半に差し掛かった時だった。
急に視界が歪み始めた。
さっきまでの歓声も無くなっていく…
いや、聞こえてるけど…
何故か歓声が遠くに………
ドサッ…。。。。
「ソジン?!ソジン?!!!」
あぁ、この声はきっとヨンだ…。
それからの記憶はなかった。
-3時間後-
目を覚ますと病院のベッドで寝ていた。
隣には事務所の社長が座っていた。
「社長…おれ…」
「過労だそうだ。あまり眠れてなかったのか?今日はここで休め。」
それだけ言って社長は病室から出ていった。
そう言えばここ最近ぐっすり寝た記憶が無い。
忙しさもあったが、
寝る前に悩み事が次々に出てきて眠りにつくことが出来ていなかった。
病室のテレビを付けると、
ニュースで
「LEG endのメンバー、ミン・ソジンさんがLIVE中に倒れました。原因は過労との事です。」
と、大々的に報道されていた。
SNSでは、ファンからの心配の声が多数寄せられていた。
テレビを消して天井を見上げながら何かを考えていた。
「みやびがいるから!!」
急に謎の声が聞こえた。
当たりを見渡すが誰もいない。
あぁ、ストレスのせいでついに幻聴まで…と思ったが
続けて謎の声が聞こえてきた。
「ソジンはすーぐ溜め込んじゃうのよ!!
いい?言いたいことはちゃーんと言わないと伝わんないのよ!!
1人でどうにかしようなんて思わないで、助けてって言ってよね!
みやびがいるから!!」
この声と言葉にどこかで聞き覚えがある。
そして俺は気づいた。
15年前に出会ったある女の子を。
「みや…び……。」
確かそんな名前だった気がする。
子供ながらに胸に突き刺さったこの言葉。
今の自分に再度言われているようだった。
「もう一度…会ってみたいな…」
そんなことを思いながら、俺は眠りについた。
何故かこの日はすぐに深い眠りにつくことが出来た。
【7月27日 21時03分】
「きゃあああああああ!!!LEG end~!!!」
「ソジーン!こっち向いてー!!!」
4年前は思いもしなかった。
こんな俺にも黄色い声援が向けられるなんて。
でも同時に知った。
人気になるってことはその分俺の知らない所で毎日監視されてること。
どこかで必ず俺を批判する人がいるということ…。
7年前、13歳の時
当時韓国で大人気だったアイドルグループ「STONE」に憧れて、
俺はアイドルになると誓った。
幼い頃からダンスを習っていたおかげで
ダンスには自信があったが、
歌はそこそこだった。
でも必死に歌とダンスのレベルを上げて、16歳の時ようやく
「LEG end」(レジェンド)としてデビューを果たした。
メンバーは4人。
歌唱力がずば抜けて高い ジョン。
プロのダンサーが認めるほどのダンスの才能を持っている ヒョヌ。
LEG endのリーダーで、
チームをまとめる才能や、
プロとしての自覚を常に持っており、
周囲から熱い信頼を得ている ヨン。
そして、容姿端麗な ソジン。
自分で言うのも何だが、LEG endの中で俺は、「容姿」担当なのだ。
デビュー当初から顔のことだけ褒められた。
もちろんそれはそれで嬉しい。
でも…俺は、
デビュー前寝る間も惜しんでダンスや歌を練習してここまで来た…
と思っていた。
だけどダンスや歌はほとんど評価されない。
もしかしたら、この顔さえあれば誰でも良かったんじゃないか…と思った。
デビューして3年後、世界的なヒットソングを生み出し、
LEG endの知名度は世界中に広がった。
嬉しかった。
これで両親に恩返しができる。
これで…俺を評価してくれる人が増えるかもしれない…!!
でも現実はそう甘くはなかった。
確かに、ファンの数は短期間で爆発的に増えた。
LIVEのツアーだって、テレビ出演だってデビュー当時と比べ物にならないくらい増えて、
毎日仕事に明け暮れていた。
デビュー前の俺からしたら、夢みたいな事だ。きっと羨ましがるに違いない。
でも俺は今この生活に、希望を持っていない。
忙しいからじゃない。
知名度が上がったことによって、俺に対する「容姿端麗」というイメージは更に強くなった。
ネットにも
「ソジンは顔だけ」
「確かにかっこいいけど、あの顔だったら誰でもいいって感じ?」
「他のデビュー目指して頑張ってるこの方が全然いいんだけど」
たくさんの批判が書き込まれた。
メンバーも俺を気遣ってくれている。
だけど、
辛いのは俺だけじゃない。
メンバーの誹謗中傷も確かに沢山ある。
俺だけがメソメソしてたらいけないんだ。
「大丈夫か?ソジン。」
俺はいつも
「大丈夫、気にするな。」
と答えていた。
正直ストレスがMAXを超えていたが、
今日のLIVEをダメにする訳には行かない。
俺は5人で円陣を組んで、
過去の俺が憧れた華のステージに向かって歩き出した。
・
・
・
「ヒョヌーー!!!」
「ヨンーー!!!!」
「ジョンーー!!!!」
「ソジンーー!!!」
たくさんの歓声を受けながら、LIVEも後半に差し掛かった時だった。
急に視界が歪み始めた。
さっきまでの歓声も無くなっていく…
いや、聞こえてるけど…
何故か歓声が遠くに………
ドサッ…。。。。
「ソジン?!ソジン?!!!」
あぁ、この声はきっとヨンだ…。
それからの記憶はなかった。
-3時間後-
目を覚ますと病院のベッドで寝ていた。
隣には事務所の社長が座っていた。
「社長…おれ…」
「過労だそうだ。あまり眠れてなかったのか?今日はここで休め。」
それだけ言って社長は病室から出ていった。
そう言えばここ最近ぐっすり寝た記憶が無い。
忙しさもあったが、
寝る前に悩み事が次々に出てきて眠りにつくことが出来ていなかった。
病室のテレビを付けると、
ニュースで
「LEG endのメンバー、ミン・ソジンさんがLIVE中に倒れました。原因は過労との事です。」
と、大々的に報道されていた。
SNSでは、ファンからの心配の声が多数寄せられていた。
テレビを消して天井を見上げながら何かを考えていた。
「みやびがいるから!!」
急に謎の声が聞こえた。
当たりを見渡すが誰もいない。
あぁ、ストレスのせいでついに幻聴まで…と思ったが
続けて謎の声が聞こえてきた。
「ソジンはすーぐ溜め込んじゃうのよ!!
いい?言いたいことはちゃーんと言わないと伝わんないのよ!!
1人でどうにかしようなんて思わないで、助けてって言ってよね!
みやびがいるから!!」
この声と言葉にどこかで聞き覚えがある。
そして俺は気づいた。
15年前に出会ったある女の子を。
「みや…び……。」
確かそんな名前だった気がする。
子供ながらに胸に突き刺さったこの言葉。
今の自分に再度言われているようだった。
「もう一度…会ってみたいな…」
そんなことを思いながら、俺は眠りについた。
何故かこの日はすぐに深い眠りにつくことが出来た。
【7月27日 21時03分】