嘘恋のち真実愛
「俺も一緒に作りたいから、共同作業できるものがいいな」

「わかりました。ふたりで作れるものですね……それでしたら、コロッケかメンチカツはどうですか?」

「あー、いいね。コロッケ食べたいし、作ってみたいな」


ということで、レンジで柔らかくしたジャガイモを征巳さんに潰してもらう。その間に私は、玉ねぎとひき肉を炒めた。

混ぜるのは征巳さんにやってもらい、成形はふたりでやる。


「ゆりか、こんな形でいい?」

「はい、いい感じですね」


楽しそうに作る征巳さんを見ていると、顔が緩む。それに、ふたりで作るのは楽しい。

私が小麦粉と溶き卵につけ、征巳さんがパン粉につけた。


「揚げてみますか?」

「俺が? 大丈夫かな?」

「そーっと入れてください」

「うん、緊張するな」


こんなことで緊張するなんて、かわいい。「フフッ」と笑ってしまった。


「ゆりか、笑うなよ」

「だって、おかしくて。でも、楽しいですね」

「うん、楽しいね。おっ、いい色になってきたよね?」

「はい」
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