嘘恋のち真実愛
「おいしいね」
「はい、おいしくできましたね。何個でも食べれそう」
「またふたりで作りたいね」
「えっ? あの……」
私がこの部屋で夕食をとるのは、今夜が最後。また……と言われても、返す言葉につまる。
征巳さんはどういう意味で言ったのだろう?
詳しく彼の気持ちを聞こうと思ったが、「ところで」と話を切り替えられてしまった。「はい?」となんの話かと待つ。
「明日のことで確認だけど、俺のどこが好きかと聞かれて、どう答えるか決まった?」
「はい、一応……」
昨日も聞かれたが、まだ決まらなくて答えられなかった。ギリギリになったが、私なりに言うことをまとめた。
でも、本人の前で言うのは照れる。小さく咳払いをしてから、征巳さんを見据えた。
「征巳さんは一緒にお仕事をしていて、とても頼りになり、尊敬できる上司です。それと、お仕事とは関係ないのですが、私の料理を美味しいと笑顔で食べてくれて、いつも優しく気遣ってくれるところに惹かれました」
「ほお」
良いとも悪いとも言わない曖昧な返事に、不安になった。
「はい、おいしくできましたね。何個でも食べれそう」
「またふたりで作りたいね」
「えっ? あの……」
私がこの部屋で夕食をとるのは、今夜が最後。また……と言われても、返す言葉につまる。
征巳さんはどういう意味で言ったのだろう?
詳しく彼の気持ちを聞こうと思ったが、「ところで」と話を切り替えられてしまった。「はい?」となんの話かと待つ。
「明日のことで確認だけど、俺のどこが好きかと聞かれて、どう答えるか決まった?」
「はい、一応……」
昨日も聞かれたが、まだ決まらなくて答えられなかった。ギリギリになったが、私なりに言うことをまとめた。
でも、本人の前で言うのは照れる。小さく咳払いをしてから、征巳さんを見据えた。
「征巳さんは一緒にお仕事をしていて、とても頼りになり、尊敬できる上司です。それと、お仕事とは関係ないのですが、私の料理を美味しいと笑顔で食べてくれて、いつも優しく気遣ってくれるところに惹かれました」
「ほお」
良いとも悪いとも言わない曖昧な返事に、不安になった。