嘘恋のち真実愛
「うわ……ありがとう」
ひと口チョコをすぐ口に放り込んで、鈴川くんに笑顔を向ける。彼の優しさとチョコの美味しさに心が和んでいく。
鈴川くんは、本当に人をよく見ている。「いえいえ」と謙虚な鈴川くんと微笑みあっていると、背後から肩を叩かれた。
ん?
誰?
振り向く前に「芦田さん」と呼ばれる。
「うわ!」
さっきと違うニュアンスの『うわ』が口から飛び出した。
私の顔が険しくなった原因を作った人物……征巳さんがすぐ後ろにいて、ビックリした。突然現れないでいただきたい。
「ずいぶんひどい反応だな」
「失礼しました。いきなりで驚きました」
「ちょっといい?」
「はい……」
くいっと顎でフロアを出るように意思表示されて、力なく立ち上がる。また憂うつな気持ちが戻ってきた。
助けを求めるよつに鈴川くんを見たが、「お気をつけて」と微笑される。
鈴川くんは時々こういった優しいようで、冷たい部分も見せることがある。
優しいはずの後輩に見放された私は、少々不機嫌そうな上司に付いていくしかなかった。私たちはミーティングルームに入る。
ひと口チョコをすぐ口に放り込んで、鈴川くんに笑顔を向ける。彼の優しさとチョコの美味しさに心が和んでいく。
鈴川くんは、本当に人をよく見ている。「いえいえ」と謙虚な鈴川くんと微笑みあっていると、背後から肩を叩かれた。
ん?
誰?
振り向く前に「芦田さん」と呼ばれる。
「うわ!」
さっきと違うニュアンスの『うわ』が口から飛び出した。
私の顔が険しくなった原因を作った人物……征巳さんがすぐ後ろにいて、ビックリした。突然現れないでいただきたい。
「ずいぶんひどい反応だな」
「失礼しました。いきなりで驚きました」
「ちょっといい?」
「はい……」
くいっと顎でフロアを出るように意思表示されて、力なく立ち上がる。また憂うつな気持ちが戻ってきた。
助けを求めるよつに鈴川くんを見たが、「お気をつけて」と微笑される。
鈴川くんは時々こういった優しいようで、冷たい部分も見せることがある。
優しいはずの後輩に見放された私は、少々不機嫌そうな上司に付いていくしかなかった。私たちはミーティングルームに入る。