嘘恋のち真実愛
「相変わらず、鈴川くんと仲がいいんだな」

「はい?」


対面に座るなり、鈴川くんの名前が出てきて、目をぱちくりさせた。

ところで、なんのご用で呼ばれたのでしょうか?

背筋を伸ばして、征巳さんの次の言葉を待った。


「メール、確認した?」

「はい」

「飛行機のチケットも手配済みだから、安心するように」

「チケット……あ、ありがとうございます。えっと、どこに行くのでしょうか?」

「当日の楽しみにしておいて」


まさかの当日まで内緒と言われる。褒美だから、彼なりのサプライズでも含まれているのかな?

でも、いつも前もっていろいろと段取りする人が、サプライズするようには思えない。


「あの、泊まるところは……」

「そっちの予約も完了しているよ」

「じゃなくて……部屋は別ですよね?」

「いや、一緒に決まっているだろ?」


決まっている?
当然だというの?
おかしくない?


「なぜ一緒なんですか? 私たち、一緒の部屋で過ごすような関係ではないですよね?」


私の問いかけに、征巳さんは眉をピクリと動かした。
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