嘘恋のち真実愛
顔の熱が全然冷めそうもない私の手を引いて、彼はレストランまで連れていく。

夜景が見える窓際の席で、フレンチ料理のフルコースを堪能する。地元の食材をふんだんに使った料理はどれもおいしくて、ひたすら感動した。


「とっても美味しかったです。ありがとうございます」


部屋に戻り、窓から札幌の夜景を見下ろしながら、笑顔でお礼を伝える。


「うん、美味しかったよね。ゆりか……」

「はい?」


後ろから抱きしめる征巳さんに、顔を向ける。私を見つめる瞳は、まだ甘い。


「もう一回抱きたい」

「えっ? いや、あの……」

「抱いても抱いても、抱き足りない」

「でも……食べたばかりでお腹がぽっこりしているので」


膨らむ下腹部を見られるのは、恥ずかしい……というか、抱き足りないとか……照れてしまう。

彼は、どこまで甘くなって、どれだけ求めるのだろう。


「ぽっこりしているお腹もかわいい」

「こんなのかわいくないってば……」

「ダメなの? もう抱かせてくれないの?」

「ダメじゃない……」


顔が熱くなる……私は、観念するしかない。甘い夜はまだまだ続いた。
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