嘘恋のち真実愛
マスター目当てで、このカフェの常連になっている女性は少なくない。何度か口説かれているのを見たことがある。
マスターに会うのが目的ではない私は、月に二度程度しかここに来ない。それでも五年前から来ているので、常連客のひとりになっているかも。
どこに座ろうかなと店内を見回した。テーブル席にカップルがひと組、カウンター席に男性がひとり座っていた。
カウンターの男性は端に座っていたので、私は反対側の端に腰を下ろす。
「ゆりかさん、いらっしゃいませ」
「どうも、こんばんはー」
バイトの市原(いちはら)くんから、おしぼりを渡される。ここでバイトをしている大学生の市原くんも女性客に人気がある。中性的で整った顔立ちをしているからなのか、年上の女性にモテるようだ。
「生ビール、もらえる?」
「かしこまりました。ゆりかさん、残業だったんですか?」
「うん、そう。お腹ペコペコで帰ったら、冷蔵庫になにもなくて、ここに来ちゃった」
「ハハッ。オーダーストップになるギリギリで良かったですね。はい、どうぞー」
マスターに会うのが目的ではない私は、月に二度程度しかここに来ない。それでも五年前から来ているので、常連客のひとりになっているかも。
どこに座ろうかなと店内を見回した。テーブル席にカップルがひと組、カウンター席に男性がひとり座っていた。
カウンターの男性は端に座っていたので、私は反対側の端に腰を下ろす。
「ゆりかさん、いらっしゃいませ」
「どうも、こんばんはー」
バイトの市原(いちはら)くんから、おしぼりを渡される。ここでバイトをしている大学生の市原くんも女性客に人気がある。中性的で整った顔立ちをしているからなのか、年上の女性にモテるようだ。
「生ビール、もらえる?」
「かしこまりました。ゆりかさん、残業だったんですか?」
「うん、そう。お腹ペコペコで帰ったら、冷蔵庫になにもなくて、ここに来ちゃった」
「ハハッ。オーダーストップになるギリギリで良かったですね。はい、どうぞー」