嘘恋のち真実愛
私は外出予定がないからまだなんとかなるけど、鈴川くんは午前中得意先へ行く予定となっている。
鈴川くんもパソコンの画面を見ていた。
「鈴川くん、部長からのメール見た? 大丈夫?」
「今見ました。時間的にちょっとキツいけど、昼休み中にでも考えますよ」
普段からそつなく業務をこなす鈴川くんらしい答えが返ってきた。それほど心配しなくても良さそうだ。
人の心配よりも、自分の心配をする必要がある。幸い急ぎの業務がないから、まずは課題から片付けようとワードに箇条書きしていく。
販売戦略か……去年と同じでいくのはダメということよね……。脳内で何度もうーんうーんと唸りながら、あれこれ考えを巡らせた。
集中して考えていたら、周囲を見回す余裕がなくなっていた。だから、人が近づく気配を感じられなかった。
「芦田さん」
「えっ……あ、ぶ、部長! なんでしょうか?」
すぐ近くで部長の声が聞こえて、慌てて直立不動する。部長は訝しげな視線を私に向けた。そんな目で見ないで……。
「少し時間ある? 一緒に来て」
「はい……時間はありますけど」
鈴川くんもパソコンの画面を見ていた。
「鈴川くん、部長からのメール見た? 大丈夫?」
「今見ました。時間的にちょっとキツいけど、昼休み中にでも考えますよ」
普段からそつなく業務をこなす鈴川くんらしい答えが返ってきた。それほど心配しなくても良さそうだ。
人の心配よりも、自分の心配をする必要がある。幸い急ぎの業務がないから、まずは課題から片付けようとワードに箇条書きしていく。
販売戦略か……去年と同じでいくのはダメということよね……。脳内で何度もうーんうーんと唸りながら、あれこれ考えを巡らせた。
集中して考えていたら、周囲を見回す余裕がなくなっていた。だから、人が近づく気配を感じられなかった。
「芦田さん」
「えっ……あ、ぶ、部長! なんでしょうか?」
すぐ近くで部長の声が聞こえて、慌てて直立不動する。部長は訝しげな視線を私に向けた。そんな目で見ないで……。
「少し時間ある? 一緒に来て」
「はい……時間はありますけど」