ありったけの愛を叫んで
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話しながら何度も、美月の体温を感じたくて腕をきつくした


美月は俺の話しに頷いたり 時には腕をさすってくれて、顔が見えなくても、真剣に聞いてくれているのが分かった




「なぁ… 美月…」




俺は美月を腕から解放して立ち上がる


着ていたパーカーを脱ぎ捨て、
上半身を起こした美月に背中を向けた






「こんな俺を… どう思うか…?」






顔は見えない、 きっと驚いている




しばらくたって、美月が近寄った気配がした





───────っ!




美月の少し冷たい指先が俺の背中に触れる




「初めて見た時は、怖いと思った

でも…


すごく惹かれる、目を奪われる

どうしてこんなにも美しいんだろうって…」




そう言った美月が 俺の大嫌いな花
カイザイクにキスを落とす






「離れたりしないよ、

この先どんなことが待ってるとしても、二人なら乗り越えられる

私だって朔夜だって、今までずっと一人で耐えてきたんだから」





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