ありったけの愛を叫んで
「あー、12時めっちゃ過ぎてんじゃん」


いや、ベッドに入る前からもう過ぎてましたよ


何故か落ちこみ気味の朔夜にそうツッコんでやろうと思ったその時




「こういうのって、雰囲気作んのむずかしいよな」




微笑を浮かべた朔夜が言った




???


たぶん私の頭の横には はてなマークが浮かんでいることだろう




「ちょっとあっち向け」 と言われ、

もたれかかっていた壁から私の背中が引き剥がされて、反対側を向かされる




「じっとしてろよ」


甘美な声とともに、鎖骨にひんやりとしたものが触れた


冷たっ!!


ビクッと肩を揺らした私に

朔夜が 「フッ」 と笑ったのが聞こえる




「わぁ…!」




視線を落とすと、首元にはプレートの付いたネックレス


"Sakuya, Mitsuki "

と筆記体で書かれていてとってもおしゃれ




「え… これって…」


もしかして、と思って振り返ると

朔夜の手にぶら下がった全く同じネックレス




「おそろいだ!!」 なんて嬉しくて声がはずむ




「俺にもつけて」




"つけて" なんて、いつも俺様な朔夜からは考えられないほど甘々じゃないか…



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