ありったけの愛を叫んで
教卓に立つ新しい担任は、そんなおかしな席順に見向きもしない




「ちゃんと考えてかけよー」




分かってます、考えてます


でもむずかしい。


自分の将来とか未来とか、なんにも見えない




朔夜の机に転がったグシャグシャの紙を見て思う


将来が、自分の進む道が決められている朔夜

先の見えない、やりたいことのない私




私たち、高校卒業したらどうなっちゃうのかな…





「みーつきちゃん、もう書いた?」


ニコニコ笑顔の悠が体ごと振り返る




「俺は どーしよっかなー」


聞いてもいないのにそんなことを言ってペンをくるくる回す悠だって、将来、進む道が決まっている




"若頭補佐"


20歳になったらそんな大役を任される悠は
本当は何になりたいんだろう




私はその紙を、白紙で提出した



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