ありったけの愛を叫んで
「美月は本当に大事にされてるんだよ」


優しく笑った麗香さんの言葉




朔夜は毎晩キスをしても、それ以上は手を出してこない


それはきっと、私がまだ結翔に植え付けられた恐怖に怯えていることを分かっているから




大事にされている


朔夜は私にたくさんの愛と幸せをくれる




でも私は、朔夜に何を与えることができているだろう


朔夜の苦しみを、少しでも楽にできているだろうか…




考えれば考えるほど、私はいつも貰ってばかり


朔夜のためになんにもできていない





「美月、覚悟決めたんなら

ちゃんとアイツに示してあげてね」



いたずらっぽく笑う麗香さんの言葉に、力強く頷いた




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