ありったけの愛を叫んで
静かに玄関をあけ、廊下をヒソヒソと歩くのは私の癖

存在を知らせないために身につけた技



リビングの扉を開くと、おじさんはもう来ていてみんなテーブルを囲んでいる



もう来てたんだ…



「ただいま」



仲良しごっこが私の言葉によって始まる

そう思ったのに…



「美月、どこに行っていたんだ

少し話しがあるから座ってくれ」


どこかピリピリしたようなおじさんの声


よく見ると、テーブルを囲む家族の中に結翔が居ないことに気がつく


そういえば バイクなかったな…


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