ありったけの愛を叫んで
初めて見るおじさんの怒った顔は、おばさんに向けられていた



「あたしだって探したわよ!

心配で心配で、何度だって電話をかけた!

でも出てくれないの、帰ってきてくれないのよ…」



5ヶ月前に出ていった私にはきのうのメール一通だったのに、本当の息子のこととなると本気で心配らしい




「あのバイクを与えた時からなんだよな、

アイツがおかしくなったのは」


「えぇ、そうよ…

夜中によく乗り回してたわ

たまに見かけたの、あの子が不良達と一緒にいるところを…」


おじさんの言葉に泣きながら答えたおばさん


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