ありったけの愛を叫んで
「こんにちはー

美月ちゃんのお迎えにあがりました〜」


営業スマイル全開で言ったのは悠



「へ……」

状況が掴めていない私に



「警察の張り込み現場みたいで楽しかったぜ?

おじさん出ていった瞬間に 突入ー!!って!」


無邪気に笑って言ったのは陽人



「なにしてんだよ美月、帰んぞ」


そんな朔夜の言葉に磁石がひきつけられるように勝手に動く私の体



朔夜の前まで行くと、頭からつま先まで鋭い目で見ながら 「なんもされてねぇだろうな」 と言われた



「殴ってないわよ!
もう殴ったりなんかしないわよ!」


そんなおばさんの声に、


「言いましたね奥さん、

破ったら警察に突き出しますよ?」


笑顔で言った悠



その裏のある、恐ろしい笑顔にゾッとした







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