ありったけの愛を叫んで
そういえばこの家まで送ってもらう時、別にみんなで出かける訳ではないのに車に4人で乗ったのを思い出す



まさか、あれからずっとここで…



降りた時と同じところに停まっていた高級車に乗り込んで、3人からの尋問が始まった



何もされていないこと、おじさんに暴力のことを勘づかれたかもしれないという話をこと細かくしたあと、私は朔夜の肩に頭をのせた



怖かった

でも、自分の意見を初めて言えた


もうダメだって思ったけど、助けに来てくれた



玄関の扉が開いた時、3人が正義のヒーローに見えたよ



私の頭に朔夜の手が ポン と乗る


「私、ちょっとは強くなれたかも」 そう呟くと


その手が頭をわしゃわしゃと撫でた



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