ありったけの愛を叫んで
そして、あの事件から5日が経った今日

バーでグラスを磨いていたその時



ブォーン!



1台のバイクが店のまえにとまり、ヘルメットを被ったまま中に転がり込んできたのは陽人



「律! 目ェ覚ました!!」



その声を聞いて奥にいた蒼介さんが駆け寄ってくる


「本当か…?」


「あぁ! 嘘なんてつかねぇっスよ!!」


「… 良かったー…」


ヘナヘナとその場に座り込む蒼介さんの手には携帯


ハァハァと息を切らす陽人を見て、電話してあげればよかったのに… なんて思ってしまったけれど、



「俺 店番しますから、蒼介さん行ってください!

店に美月一人だと客が何するか分かんない」



そう言って笑った陽人を見て、私のために来てくれたんだと知った




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