ありったけの愛を叫んで
全部全部、嘘だったってこと?

作り物だったってこと…?



そして思い出す

律くんが目を覚まし、二人で店番をしたあの日
語ってくれた陽人の過去と思い…




「俺はあいつらに憧れた、仲間に入れてもらった

でも結局、入れてもらったってだけで本当の信頼とか絆はねぇんだよ

高一になって、女遊びに明け暮れる朔夜と
誰にでも作り笑顔をする悠を見て、俺はコイツらといても強くなれねぇって思った

だから俺は蝙蝠になったんだよ

俺はあいつらよりも強い、それを証明するためにここにいんだよ!」




だんだん大きくなった陽人の叫び声


その顔は、ひどく苦しそうだった






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