ありったけの愛を叫んで
「ハハハ! 聞いたかよ今の!

バカみてぇな恋愛ごっこはもう終わりだ

見てろよ美月
コイツの苦しむ姿を、どんどん弱ってく姿を!」



叫んだ結翔は狂ったように朔夜を殴り、蹴り飛ばす

何回も何回も、同じところを痛めつけるように…



やめて…、やめてよ……!



なにも出来ない自分が悔しくて涙が溢れる

抵抗しない朔夜は、どんどん傷つき、血が流れ出す…





───────その時、血を吐き出して倒れる朔夜の口角が少し上がった気がした



結翔は殴るのに必死で気づいていない




その後ろから、ナイフを持った人影が近づいて……






グサッ



─────────!!!




「ぐあぁぁぁぁ!!」




野獣のような叫び声


倒れたのは結翔で、その太ももに刺さるのは鋭い刃物




「いってーなぁ おい貴様ァ!

どういうことだよ!!」



その叫びは、陽人に向けられていた



「残念だったなぁ 琴宮結翔

別に俺はお前らなんかの仲間になったつもりはねーよ」



そう不敵に笑った陽人は、結翔に刺さったナイフを抜き、もう片足の太ももに突き刺した




「ぐああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」




< 165 / 169 >

この作品をシェア

pagetop