ありったけの愛を叫んで
蒼介さんにこの前のお礼を言って、自分の失礼の数々を謝った
相変わらず蒼介さんはニコニコ
「全然!
こんな美人がうちで働いてくれるなんてマジで嬉しいよ!」
悠の言った、いいバイト先とはまさにここ
"Snow Storm"
バイト先を紹介するといい黒塗りの車で連れてこられた場所がここで、ものすごく嫌な予感がした
でも、
『ちょっと待っててね』と言って車から悠だけ降りたから、何か用事で ちゃんと別のバイト先に向かうんだとばかり思っていた
『おいで』 と言われて車を降りた時には
もうバイトすることが決まっていて
勝手に話を進めた悠を怒りたかったけど、
Snow Storm の時給は結構高いこと
人手が足りてないから働いてもらえると助かる
なんて蒼介さんが言ってくれて、
さっき思いたったばかりのバイトが早くも現実になった
「じゃあ、月、水、金で10時まで
よろしくね、美月ちゃん」
優しい笑顔で言ってくれた蒼介さんに「よろしくお願いします!」と返す
「今日は店の雰囲気見てって〜」
そう言って蒼介さんはホットココアを作ってくれて、なんと素晴らしい人の元でバイトができるのかとこれからが楽しみになった私
ココアを飲みながら、お店のひとつひとつのメニューを小さくつぶやく
カフェもバーも、片仮名のメニューが多くて覚えるのが大変そう…
「お前、バイトすんの?」
────っ!!
めっちゃ熱い、、たぶん舌やけどした…
今日はびっくりさせられる日らしい
涙目になりながら隣を見ると、意外と近くにいる神野くんとバチっと目が合う
いつの間にいたんだろうか…
あれ以来、一言もしゃべっていなかったし
目があうこともなかった
その人が、私になにか質問したよね…
「だから、バイトすんのかって聞いてんだよ」